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基本データ
- 外資/日系
- 日系外資系補正なし
- 従業員数
- 5,000人以上大企業としての規模感が強い
- 上場区分
- 上位上場級大型指数採用など社会的信用・知名度が特に強い
- 会社形態
- ホールディングス系の親会社・主要親会社グループ全体の意思決定やブランドを担いやすい
- 産業
- 中位収益性産業平均的な収益性として扱う産業
- ブランド
- SカテゴリSカテゴリは、電博・5大キー局・外資トップ金融・MBB以外の主要戦略ファーム(Kearney・Strategy&・ADL・RB・OW・Monitorなど)等の強い名前付きブランドのいずれかに該当する場合に選択されます。
企業解説
新卒難易度:採用枠は多めでも、職種ごとに別の難しさがある
電通の新卒難易度は★★★★★としました。
まず、採用人数そのものは極端に少ない会社ではありません。
電通の2026年度入社式では、新入社員は156名。2025年度は148名、2024年度は143名で、近年は150名前後を採用しています。
三井不動産のように総合職の採用枠が数十人しかない会社と比べれば、入口はかなり広いです。
それでも★★★★★としたのは、実際に競争する学生の層がかなり高く、さらに職種によって別の能力を見られるからです。
大学通信の2025年度就職者データでは、電通への就職者数は慶應義塾大学34名、早稲田大学26名、東京大学13名、京都大学11名でした。
この4大学だけで84名に達します。
ほかにも一橋大学、上智大学、大阪大学など上位大学から多く採用しており、150人前後の採用枠があっても、実際には東大・京大・早慶を中心とした学生との競争になります。
ただし、電通の難しさは単純な学歴競争だけではありません。
電通には、クライアント企業と向き合うビジネスプロデュース、マーケティング、メディア&コンテンツ、BX、クリエイティブ、テクノロジーなど、性格のかなり異なる仕事があります。
いわゆる「営業」に近いのがビジネスプロデュースです。
ビジネスプロデュース向けインターンでは、クライアントから曖昧な相談を受けたところから、「何を聞くべきか」「何が本当の課題なのか」を考え、チームやプロジェクトを動かすワークが行われています。
広告枠を売る営業というより、顧客企業の課題を拾い、社内のマーケターやクリエイター、メディア担当などを集めて仕事を作るプロデューサーに近い職種です。
このためビジネスプロデュースでは、論理的に答えを出せるだけでは足りません。
初対面の人との関係構築、曖昧な話から課題を拾う力、多くの関係者を動かす力なども必要になります。
一方、マーケティングでは消費者や市場を分析して戦略を組み立てる力、メディア&コンテンツではテレビ・デジタル・スポーツ・エンタメなどを使って企画を実行する力がより重要になります。
さらにクリエイティブ系は別物です。
電通はデザインやアイデア開発に特化したインターンを設けており、テクノロジー系でもCG、AI、映像制作、プログラミングなど具体的なスキルを持つ学生を募集しています。
つまり、一般的な大企業の総合職のように、
「高学歴で、面接が上手ければ全職種で有利」
という採用ではありません。
営業・プロデュース系なら人を巻き込む力、マーケティングなら分析と企画、クリエイティブなら発想と制作能力、テクノロジーなら技術力というように、入口によって求められる能力がかなり違います。
現在は選考の早期化も進んでいます。
電通総合ビジネスキャンプは採用選考直結型の4日間プログラムで、マーケティング、メディア&コンテンツ、ビジネスプロデュース、BXなどを横断して課題に取り組みます。
しかも応募できるのは、それ以前に各領域のインターンへ参加した学生に限られています。:contentReference[oaicite:1]{index=1}
インターン選考 ↓ 領域別インターン ↓ 選考直結型プログラム ↓ 本採用
というルートもあり、本選考の面接数回だけで競争する会社ではなくなっています。
採用人数だけを見れば、五大商社やトップデベロッパーほど希少ではありません。
それでも、東大・京大・早慶を中心とする応募者層の中で、学歴だけではなく、職種ごとに求められる企画力、対人力、専門性まで見られます。
採用枠は150人前後ありますが、その枠を「営業」「マーケティング」「クリエイティブ」など実質的に異なる適性を持つ学生が争います。上位大学の学生なら無難に通る会社ではなく、それぞれの領域で明確な強みを示す必要があるため、★★★★★と評価します。
中途難易度:選考水準は高い。ただし、狙うためのルートはかなり作りやすい
電通の中途難易度は★★★☆☆としました。
電通への転職自体は簡単ではありません。
会社としての知名度が高く、広告・マーケティング業界を代表する企業でもあるため、人気も高いと考えられます。特にビジネスプロデュース、マーケティング、クリエイティブなどでは、単に同じ職種を経験しただけではなく、どの程度の規模の案件を担当し、何を実現してきたのかまで問われるでしょう。
一方で、中途採用の入口はかなり広く用意されています。
電通グループの非財務データでは、株式会社電通単体の中途採用者数は2020年度24人、2021年度44人、2022年度78人、2023年度254人、2024年度87人となっています。
2023年度は突出していますが、それを除いても毎年数十人規模で中途採用しており、「ごく少数だけを例外的に採る会社」ではありません。
さらに、募集職種もかなり幅広いです。
電通のキャリア採用では、ビジネスプロデュース、マーケティング、メディア、クリエイティブ、データ、テクノロジーなど、職種別に求人が出されています。
いわゆる営業に近いビジネスプロデュースだけを見ても、広告代理店経験者しか応募できるわけではありません。
コンサルティング、事業会社の法人営業、マーケティング、新規事業、デジタル領域などで、顧客や社内外の関係者を巻き込みながらプロジェクトを進めた経験があれば、その実績を電通の仕事へつなげられる可能性があります。
専門職ではさらにルートが分かりやすくなります。
マーケターであればマーケティング経験、データ系であれば分析・データ基盤の経験、IT系であればシステム開発やプロジェクトマネジメント、クリエイティブ系であれば制作実績というように、前職で必要な経験を作ってから応募できます。
また、電通には第二新卒向けのオープンポジションもあります。
第二新卒採用では、社会人経験2年以上〜4年目相当を対象に、ビジネスプロデュースまたはメディア業務推進への配属を前提として募集しています。
この点は、中途難易度を考えるうえで重要です。
三井不動産のように、特定分野の経験がなくても社会人としての実績や人物を総合的に見て、もう一度「総合職」として選抜される採用とは違います。
三菱商事のようにポジション別であっても、事業投資、海外事業、特定産業の専門性など、必要な経験そのものを積める会社や案件が限られやすい企業とも少し違います。
電通の場合は、営業、コンサル、マーケティング、IT、データ、クリエイティブなど、比較的多くの会社で応募につながる経験を作れます。
つまり、
前職で関連する専門性や実績を積む ↓ その経験を求める電通の求人へ応募する
というルートを比較的描きやすい会社です。
もちろん、ルートがあることと、選考に通ることは別です。
電通クラスの企業であれば、同じ職種を数年経験しただけではなく、担当した顧客、案件規模、自分が担った役割、成果まで含めて一定以上の実績が必要になると考えた方がよいでしょう。
選考水準そのものは高い一方、中途採用を継続的に行っており、職種も幅広く、必要な経験を他社で積んでから狙えるルートが複数あります。「特定の会社や特殊な経歴を通らなければ応募できない」タイプではないため、★★★☆☆と評価します。
一般知名度:「電通」で説明が通じる、日本を代表する企業名の一つ
電通の一般知名度・世間受けは★★★★★としました。
就活生やビジネスパーソンだけでなく、一般層まで含めても「電通」という社名はかなり広く知られています。
株式会社電通は1901年創業で、現在も日本の広告・マーケティング業界を代表する企業の一つです。会社概要では、広告だけでなくマーケティングや事業成長支援まで事業領域を広げていますが、一般には今も「広告の電通」「広告業界最大手」というイメージで認識されている会社でしょう。
この点は、AccentureやGoldman Sachsとは少し違います。
両社もビジネスパーソンには非常に有名ですが、一般層では「名前は聞いたことがあるが、何をしている会社かまでは分からない」という人もいます。
電通はテレビCM、スポーツ、イベント、メディア、広告など、生活者の目に触れやすい領域と長く関わってきたため、社名と事業内容が結びついて認識されやすい会社です。
「電通に勤めている」と言えば、
「広告の会社」 「有名な大企業」 「華やかな業界の会社」
というところまでは、会社説明をしなくても伝わりやすいでしょう。
一方で、業界トップ企業であり、高待遇・有名企業というイメージも強いため、純粋な好感だけで見られる会社でもありません。
大企業、広告業界、華やかな仕事という属性そのものから、やっかみや好き嫌いを持たれやすい面はあります。
ただし、それは知名度の低さとはむしろ逆の話です。
会社名を言っただけで「有名な大企業」と伝わり、さらに「広告の電通」という事業イメージまで一般層に浸透しています。好感度には多少ばらつきがあっても、企業名そのものの通用度は国内最高水準と考え、★★★★★と評価します。
高学歴就活評価:今も「電通に受かった」は内定そのものに希少性がある
電通の上位就活層評価は★★★★★としました。
早慶・旧帝大などの上位就活層にとって、電通は単に「誰でも知っている大企業」ではありません。
広告・マーケティング業界を志望する学生にとっては最上位の応募先の一つであり、業界を限定しなくても、総合商社、デベロッパー、テレビ局、コンサルなどと並行して受ける学生が多い会社です。
実際、大学通信の2025年度就職者データでは、電通への就職者は慶應義塾大学34名、早稲田大学26名、東京大学13名、京都大学11名でした。
この4大学だけで84名に達しています。
一橋大学、大阪大学、上智大学などからも入社しており、採用人数そのものが150人前後あることを考えても、入社者のかなり大きな割合を上位大学が占めています。 :contentReference[oaicite:0]{index=0}
ただし、「高学歴の社員が多いから★★★★★」としているわけではありません。
この項目で重視しているのは、
上位大学の学生同士でも、その会社の内定自体に希少性があるか
という点です。
たとえばAccentureやDeloitte Consultingにも東大・京大・早慶から多数入社しています。
一方で、これらの会社は採用人数がかなり多く、上位大学の就活コミュニティでも毎年多くの内定者が出ます。
電通は採用人数が150人前後に限られ、しかもビジネスプロデュース、マーケティング、クリエイティブなど、それぞれ異なる適性を見られます。
そのため、早慶や東大に在籍していること自体では内定まで届きません。
「電通に受かった」と聞けば、上位就活層の中でも、
「広告ならトップクラスに行った」 「かなり難しいところに通った」
と認識されやすい会社でしょう。
一方で、五大商社やトップデベロッパーとは少し性格が違います。
三菱商事や三井不動産は、業界志望に関係なく上位学生の間で非常に広くステータス化しています。
電通もかつてから就職人気の高い企業ですが、現在はコンサル、IT、スタートアップなど就職先の選択肢が広がっており、上位学生全体が一様に電通を目指す時代ではありません。
それでも、広告・メディア・マーケティング・クリエイティブ領域では現在も国内最高峰の就職先の一つであり、内定そのものに十分な希少性があります。
上位大学から多数入社していますが、「上位大学なら普通に入れる会社」ではありません。広告・マーケティング領域では依然として最上位のブランドを持ち、早慶・旧帝大の学生同士でも内定自体が評価される水準にあることから、★★★★★と評価します。
待遇:30代で1,000万円超が見える、再現性の高い高待遇
電通の待遇は★★★★☆としました。
広告業界では明確にトップクラスで、国内大手企業全体で見てもかなり高い給与水準です。
現在の株式会社電通は非上場の事業会社であるため、単体の平均年収を有価証券報告書から直接確認することはできません。
そこで社員・元社員による自己申告データを見ると、OpenMoneyでは、電通の給与データ519件の平均年収は1,157万円、中央値は1,188万円、回答者の平均年齢は33.3歳となっています。
公式値ではありませんが、30代前半を中心とする回答者で平均・中央値ともに1,100万円を超えており、給与水準の高さはかなり明確です。
電通の特徴は、一部の高評価社員だけが高額報酬を得るというより、若手から中堅までは比較的横並びで給与が上がりやすいとみられる点です。
社員投稿ベースでは、若手のうちは年次やグレードに沿って昇給し、評価によって多少の差はついても、給与が極端に分かれるわけではないという声が見られます。
転職会議の年代別自己申告データでは、年収中央値は20代で約600万円、30代で約900万円、40代で約1,500万円となっています。
サンプル数や投稿者属性に偏りがあるため、そのまま電通全社員の給与カーブとは言えませんが、
20代で600〜800万円前後 ↓ 30代で1,000万円前後 ↓ 管理職になると1,000万円台半ば
というイメージは、複数の社員投稿とおおむね整合します。
OpenMoneyでも、入社6年目前後でグレードが上がり、年収1,000万円を超えるという投稿があります。
つまり、電通では「ごく一部のエースだけが30代で1,000万円を超える」というより、一定の年次まで勤めて昇格していけば、1,000万円台に到達すること自体にはかなり再現性があると考えられます。
この点は、一般的な大手メーカーやSIerと比べるとかなり強いです。
30代で年収1,000万円に届くには管理職への早期昇進が必要な会社も多い中、電通では非管理職を含めてもその水準が見えてきます。
一方で、★★★★★とした三菱商事や三井不動産とは差があります。
電通も1,000万円超への到達再現性は高いものの、その先の上限を見ると、総合商社のように30代後半から40代で1,500万円〜2,000万円級が広く見えてくる給与カーブほどではありません。
電通でも管理職になれば1,400万〜1,600万円前後という社員投稿はありますが、2,000万円を超える水準まで多くの社員が到達する会社とは考えにくいです。
Goldman Sachsのように、若いうちから成果次第で1,500万〜2,000万円以上を狙える超高報酬型とも異なります。
電通の強さは、報酬の上限よりもむしろ、
「若手から高い」 「30代で1,000万円超が十分見える」 「その水準まで比較的横並びで上がりやすい」
という再現性にあります。
広告業界では別格の高待遇で、一定の年次まで勤めて昇格していけば、30代で1,000万円台へ到達する再現性もかなり高いと考えられます。一方、三菱商事や三井不動産のように、その先も1,500万円〜2,000万円級まで広く伸びていく給与カーブではありません。高待遇への再現性は非常に高いものの、上限で国内最高峰企業と差があるため★★★★☆と評価します。
WLB:昔の電通とはかなり違う。ただし案件次第で忙しさは残る
電通のWLB・働きやすさは★★★☆☆としました。
電通というと、今でも「とにかく長時間働く会社」というイメージを持つ人は多いでしょう。
ただ、現在の働き方を過去のイメージだけで評価するのは適切ではありません。
電通は長時間労働問題を受けて働き方改革を続けており、現在も四半期ごとに労働時間の実績を公表しています。
2026年第2四半期の公表値では、社員1人あたりの法定労働時間を超える労働は月平均12.8時間でした。36協定違反者も月単位・日単位ともに0人とされています。
2026年第1四半期も月平均10.2時間であり、少なくとも会社が公表している労働時間データを見る限り、かつて問題となったような極端な長時間労働を前提とする会社ではなくなっています。
制度面もかなり柔軟です。
電通の人的資本に関する方針では、原則全従業員が利用できるフレックスタイム制や、在宅勤務を含むリモートワークを整備しています。
2025〜2026年の行動計画では、フルタイム社員について「法定外労働+法定休日労働を各月30時間未満」とする目標も掲げています。
一方で、この数字だけを見て「かなりホワイトな会社」と判断するのも早いです。
OpenWorkの社員・元社員による自己申告データでは、電通の月間平均残業時間は38.4時間、有給休暇消化率は62.6%となっています。
会社公表値とは集計方法が異なるため単純比較はできませんが、現場では一定の残業が残っていることを示す材料にはなります。
社員投稿でも、働き方にはかなり部門差があります。
2026年のOpenMoneyへの投稿では、22時以降の勤務は原則禁止されている一方、22時まで働くこと自体はあるという趣旨の回答があります。別の現職社員からは、繁忙期には残業が増えるものの、労働時間自体はかなり厳密に管理されているという投稿もあります。いずれも社員投稿ベースであり、会社全体の平均を示すものではありません。
電通でWLBを考えるうえで重要なのは、単純な制度より仕事の性質です。
ビジネスプロデュースなどクライアントに近い仕事では、顧客企業の締切、プレゼン、広告出稿、イベント、キャンペーンなどにスケジュールを左右されます。
大型案件が動けば、社内のクリエイター、マーケター、メディア担当、外部パートナーなど多くの関係者を動かす必要もあります。
そのため、会社が労働時間を厳しく管理していても、「毎日決まった時間に仕事を終えられる」という意味での安定したWLBとは少し違います。
反対に、すべての社員が同じように忙しいわけでもありません。
社員投稿では週3〜4日程度リモートワークを利用している例もあり、所属部署によっては私生活との調整がしやすいという声もあります。
つまり、現在の電通は、
「会社が長時間労働を放置している」
という状態からはかなり変わっています。
一方で、広告・マーケティングという仕事そのものが顧客や案件の進行に左右されやすいため、忙しい部署や時期まで完全になくなったわけではありません。
労働時間管理、フレックス、リモートワークなど制度面は大きく改善しており、過去のイメージだけで「激務企業」と評価するのは現在の実態とずれます。一方、営業や大型案件では顧客都合・締切都合で忙しくなりやすく、部署や案件による差も残ります。制度はかなり整ったものの、生活を常に自分のペースでコントロールできる会社とまでは言いにくいため、★★★☆☆と評価します。
キャリア資産:「電通出身」は強い。ただし何の専門性が残るかは職種でかなり変わる
電通のキャリア資産は★★★★☆としました。
まず、「電通で働いていた」という会社ブランドそのものは転職市場でも強いと考えられます。
国内最大手の広告会社として、大企業のマーケティングや広告、メディア、スポーツ、エンターテインメントなど大規模案件に関わる機会が多く、若いうちから社外の大企業や多数の専門家と仕事をする経験を作りやすい会社です。
ただし、電通のキャリア資産を考えるうえでは、
電通にいたこと
と、
電通で何をしていたか
を分けて見る必要があります。
職種によって、その後に残る専門性がかなり違うからです。
たとえばマーケティング領域では、生活者分析、ブランド戦略、マーケティング戦略、メディア設計、効果測定などを経験できます。
現在の電通は広告制作だけではなく、Marketing For Growthとして、顧客データ、分析、マーケティングコンサルティング、顧客体験、効果検証まで含めた支援を行っています。
同社によると、2024年1月時点でデータクリーンルームを扱う認定アナリストも400人以上在籍していました。
こうした領域で経験を積めば、
事業会社のマーケティング ブランドマネジメント デジタルマーケティング 広告・メディア企業 マーケティングコンサルティング
など、社外でも仕事内容を比較的そのまま説明できます。
クリエイティブ職も分かりやすいです。
広告、コピー、映像、デザイン、コンテンツなどで実際に制作したものが実績として残り、個人のポートフォリオや受賞歴などで能力を示すこともできます。
データ・テクノロジー領域もキャリア資産を作りやすい分野です。
電通のData & Technology事業では、データ基盤、AI、データサイエンス、プロダクト開発などを手がけています。
データ分析、AI、システム開発などは電通固有の能力ではないため、十分な実務経験を積めばIT企業、コンサル、事業会社などでも評価されやすいでしょう。
一方、電通で人数が多いビジネスプロデュースは少し性格が違います。
電通の事業紹介によると、約2,000人のビジネスプロデューサーが在籍し、顧客の課題を見つけ、社内外の専門家を集め、チームを率いて仕事を進めています。
ここで身につくのは、特定の商品を売る営業力だけではありません。
大企業の顧客と関係を作り、マーケター、クリエイター、メディア、データ、外部パートナーなどをまとめ、大きなプロジェクトを前に進める力です。
これは事業会社のマーケティング、新規事業、営業企画、コンサルティングなどでも活かしやすい経験です。
ただし、注意点もあります。
ビジネスプロデューサーの仕事は、個人だけで完結する仕事ではありません。
「電通」という会社が持つ顧客基盤、メディアとの関係、多数の専門家、グループ会社、ブランド力などを使って大きな仕事を動かす面もあります。
そのため、数年間働いたあとに、
「自分はマーケティングの専門家なのか」 「新規事業を作れる人なのか」 「単に大手顧客の窓口をしていた人なのか」
で、その後の市場価値にはかなり差が出る可能性があります。
これは、M&Aを数年経験すればM&A人材として説明しやすいDTFAやGoldman Sachsの投資銀行部門とは違うところです。
電通にいるだけで、自動的に一つの専門性が完成するわけではありません。
逆に言えば、マーケティング、クリエイティブ、データ、テクノロジーなど、自分の軸を明確にして経験を積めば、電通ブランドと専門性の両方を持って転職市場に出ることができます。
「電通出身」というブランドに加え、大企業の大型案件やマーケティング、クリエイティブ、データなどの経験は社外でも高く評価されやすいでしょう。一方、特にビジネスプロデュースでは、会社のネットワークを使って仕事を動かす能力と個人の専門性を分けて考える必要があります。配属・担当業務による差があるため★★★★★には届かないものの、キャリア資産はかなり強い会社として★★★★☆と評価します。
将来性
電通の将来性・安定性は★★★☆☆としました。
国内の広告市場そのものは縮小していません。
2025年 日本の広告費では、総広告費は8兆623億円で4年連続の過去最高。企業の好業績やデジタル投資の拡大もあり、広告主側の需要が急速に細っているわけではありません。
ただし、成長している場所は変わっています。
インターネット広告費は4兆459億円まで増え、総広告費の50.2%を占めました。広告市場の成長は、テレビなどの従来メディアより、SNS、動画、EC、デジタル広告へ移っています。
ここは電通にとって重要です。
かつてのように「広告主とテレビ局などの媒体をつなぐ」だけなら、今後も同じ収益性を維持できるとは限りません。デジタルではGoogle、Meta、Amazonなどのプラットフォームと広告主が直接つながることができ、事業会社自身が広告運用やマーケティング機能を内製することもできます。
SIerのように、「顧客企業だけでは大規模システムを作りきれないので外注需要が残りやすい」という構造的な守りが強い業界ではありません。
それでも、現在の電通が価値を失っているわけではありません。
大企業の顧客基盤を持ち、広告だけでなく、マーケティング戦略、クリエイティブ、データ、デジタル、イベント、スポーツ・エンターテインメントまでまとめて扱えることは依然として強みです。
実際、電通グループも広告枠の仲介だけではなく、企業の成長支援をまとめて提供する方向へ事業を広げています。2026年に更新した中期経営計画でも、AIやデータ・テクノロジーを使った生産性向上や、企業の事業変革、スポーツ・エンターテインメントなどを重点領域に置いています。
一方、海外事業は明確な弱点です。
電通グループ自身が海外事業の収益性回復を重要な経営課題と位置づけており、米州・EMEA・APACでは競争優位性の回復や不振事業の見直しを進めています。2026年時点でも、日本事業の成長を維持しながら海外事業を立て直すことが経営上の主要テーマになっています。
つまり、電通は「広告市場が縮んで消えていく会社」ではありません。
ただし、電通を経由しなくても広告やマーケティングを実行できる選択肢は増えています。
国内では現在も強い顧客基盤を持ち、デジタル化にも対応できています。一方、広告・マーケティングは競合や代替手段が多く、SIerのように外注需要が構造的に守られている業界ではありません。さらに海外事業にも課題があります。今の強さは十分あるものの、それを維持するには顧客に「電通を使う理由」を提供し続ける必要があるため、★★★☆☆と評価します。
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最終更新: 2026-09-22
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