ゴールドマン・サックス

就職偏差値72
TierS

Tierは企業の外形的な「社格」を機械的に評価したものです。待遇・働きやすさ・入社難易度などを含む総合おすすめ度ではありません。詳しくはこちら

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基本データ

外資/日系
外資系外資系ブランド・高年収イメージ・選抜感を評価
従業員数
5,000人以上大企業としての規模感が強い確認情報: グローバル連結
上場区分
上位上場級大型指数採用など社会的信用・知名度が特に強い
会社形態
外資日本法人・日本拠点グローバル本体のブランドや事業基盤を持つ日本法人・日本拠点
産業
高収益性産業収益性・給与期待・選抜感が高い産業(商社・金融・コンサル・デベロッパー)
ブランド
SカテゴリSカテゴリは、電博・5大キー局・外資トップ金融・MBB以外の主要戦略ファーム(Kearney・Strategy&・ADL・RB・OW・Monitorなど)等の強い名前付きブランドのいずれかに該当する場合に選択されます。

企業評価の見取り図

8項目平均4.3

各項目は5段階評価です。星が多いほど、その項目の評価・強さ・難しさが高いことを表します。

新卒難易度新卒で入る難しさ。採用人数、応募者層、学歴フィルター、人気を見る項目です。
5.0
中途難易度経験者採用で入る難しさ。要求専門性、採用枠、競争相手を見る項目です。
4.0
一般知名度親・友人・非ビジネス層にも会社名が通じるかを見る項目です。
4.0
高学歴就活評価上位大生、転職市場、ビジネス層からどう見られるかを見る項目です。
5.0
待遇年収・昇給・福利厚生の強さを見る項目です。
5.0
WLB労働時間、転勤、勤務地、柔軟性を見る項目です。
2.0
キャリア資産転職時の看板、スキル、経験の汎用性を見る項目です。
5.0
将来性会社・業界の成長性、競争優位、構造リスクを見る項目です。
4.0

企業解説

新卒難易度部門別の少人数採用。学部や金融知識は問わないが、内定者の競争相手が強烈

ゴールドマン・サックスの新卒難易度は★★★★★としました。

ゴールドマン・サックスの新卒採用で特徴的なのは、日本企業の総合職のように「会社へ入社してから配属される」のではなく、最初から部門別に採用されることです。

2028年卒の新卒採用では、投資銀行部門、コントローラーズ部門、オペレーションズ、エンジニアリングが本選考の募集対象となっており、応募時点で希望部門を選択します。最大3部門まで併願できます。

選考はエントリーシート、SPI、録画形式のウェブ面接、部門ごとの面接という流れです。

録画面接でも共通のソフトスキルを見る質問だけでなく、応募した部門独自の質問が出されます。

つまり、「ゴールドマン・サックスに入れる優秀な学生をまとめて採用する」というより、投資銀行なら投資銀行、エンジニアリングならエンジニアリングと、入口からその仕事をする人材として選ばれます。

一方、応募資格そのものは意外なほど広いです。

公式FAQでは、有利な大学や学部は特にないとしており、文理も不問。さらに、大学での専攻や金融の専門知識によるハンディもないと明記しています。

実際、入社後には金融市場や会計の基礎研修が用意され、必要と判断された新入社員には入社前の英語研修も提供されています。

したがって、「学生時代から金融を専門的に勉強していなければ受けられない会社」ではありません。

難しいのは応募条件ではなく、競争相手です。

会社は実際の大学別採用人数を公表していませんが、外資就活ドットコムの内定者申告データでは、過去の内定報告は東京大学、慶應義塾大学、早稲田大学、京都大学、一橋大学などに集中しています。

さらに同データでは、ゴールドマン・サックス内定者のインターン経験先として、J.P.モルガン、モルガン・スタンレー、バンク・オブ・アメリカ、UBS、ボストン コンサルティング グループなどが並びます。

もちろん、これは外資就活ドットコム利用者の自己申告データであり、実際の内定者全体を表すものではありません。

それでも、「難関大学に入ればそのまま有利」というより、難関大学の学生の中でも外資金融・戦略コンサルなどを並行して受ける層と競う選考であることは見えてきます。

また、2026年夏の短期インターンシップも部門別で、アセット・マネジメント、証券、投資調査、投資銀行、オルタナティブ投資、オペレーションズについて、それぞれ20〜40名程度を募集しています。

これは本採用人数ではありませんが、本選考以前から部門単位で候補者を選び、その仕事への適性を見ていることが分かります。

部門によって難易度には差があります。特に投資銀行部門や証券部門などのフロント職は、採用枠の少なさと志望者層の強さが重なるため、国内でも最難関クラスです。

一方、オペレーションズやコントローラーズ、エンジニアリングまで、投資銀行部門とまったく同じ難易度だと考える必要もありません。

それでもゴールドマン・サックス全体として、少人数の部門別採用に対して国内外の上位学生が集まる構造に変わりはありません。

学歴や金融専攻を応募条件としている会社ではありません。むしろ、応募資格は広く開いたうえで、部門ごとに少人数を選びます。難関大学にいること自体ではほとんど差がつかず、その中で経験・思考力・コミュニケーション力・部門への適性まで競う必要がある国内最難関クラスの採用として★★★★★と評価します。

中途難易度明確なポジションマッチ型。超難関だが、必要な経験は逆算しやすい

ゴールドマン・サックスの中途難易度は★★★★☆としました。

中途採用は、会社全体で「キャリア採用総合職」を募集する方式ではなく、各部門で発生したポジションごとに採用するポジションマッチ型です。

公式のキャリア採用ページでも、勤務地でJapan、Divisionで希望部門を選び、さらにType・Titleから自分のスキルや経験を活かせる募集ポジションを探して応募する仕組みになっています。

そのため、選考では「ゴールドマン・サックスに入れるほど優秀か」だけでなく、募集されている仕事に対して前職の経験をどこまで活かせるかが重要になります。

求められる経験も部門によって大きく異なります。

投資銀行ならM&Aや資金調達、証券部門なら株式・債券・為替などのマーケット業務、エンジニアリングならソフトウェア開発やインフラ、サイバーセキュリティなど、それぞれ別の専門性が必要です。

例えばエンジニアリング部門では、分散システムやデータベース、アルゴリズムなどのコンピューターサイエンスの基礎を求めています。金融知識だけでなく、技術そのものを専門性として採用する部門です。

オペレーションズも、単純な事務処理ではありません。株式などの取引について、決済、報告、リスク管理に加え、業務を支えるシステムやプロセスの設計・改善まで担当します。

つまり、転職ルートは比較的分かりやすい会社です。

M&Aや資金調達を経験して投資銀行部門を狙う、マーケット業務を経験して証券部門を狙う、金融システムや高度なソフトウェア開発を経験してエンジニアリングを狙う、といった形で、募集ポジションから逆算して必要な経験を積むことができます。

もちろん、ゴールドマン・サックスなので簡単ではありません。

特に投資銀行や証券などのフロント職では、国内外の金融機関や同業他社で実績を持つ候補者との競争になります。ポジションが常に募集されているとも限らず、自分の経験に合う求人が出るかという問題もあります。

それでも、三井不動産のキャリア採用のように、幅広い業界から候補者を集めて「総合職としてもう一度選ぶ」採用とは性格が違います。

募集ポジションと自分の専門性が合えば、そこへ向けてキャリアを作ることができます。採用水準そのものは非常に高いものの、前職で何を経験すれば候補になれるのかは比較的明確です。難関だが再現性を作れるポジションマッチ型の中途採用として★★★★☆と評価します。

一般知名度金融に詳しくなくても名前は聞いたことがある。外資BtoB企業としては異例の知名度

ゴールドマン・サックスの一般知名度・世間受けは★★★★☆としました。

一般消費者向けの商品や店舗をほとんど持たない会社としては、かなり知名度の高い企業です。

ゴールドマン・サックスは1869年にニューヨークで創業した世界的な金融機関で、日本でも1974年に東京へ進出しています。現在の日本拠点には約1,000人が勤務しています。

事業の中心は投資銀行、証券、資産運用などで、主な顧客も企業、金融機関、政府機関、投資家です。

つまり、三井不動産の「ららぽーと」やサントリーの飲料のように、一般消費者が日常生活でサービスに触れることで知られている会社ではありません。

それでも「ゴールドマン・サックス」という社名自体は、日本でもニュースや経済記事などを通じて広く知られています。

日本法人の公式サイトでも、東京メトロの大型IPOでジョイント・グローバル・コーディネーターを務めるなど、日本を代表する企業や大型案件に関わっていることが確認できます。

一方で、一般層が「ゴールドマン・サックスが具体的に何をしている会社なのか」まで理解しているとは限りません。

「外資系の金融会社」「ものすごく給料が高そう」「エリートが働いていそう」といったイメージは持たれやすくても、投資銀行部門と証券部門の違いや、M&A・資金調達でどのような役割を担っているのかまで知られている会社ではありません。

この点で、社名だけで事業内容まである程度想像できるトヨタや三井不動産、三菱商事などの★★★★★とは一段差があります。

ただし、一般消費者向けビジネスをほぼ行わない外資系金融機関として考えれば、社名だけで「有名な外資金融」「エリート企業」という印象を持たれやすいこと自体がかなり特殊です。

誰もが知っている国民的企業とまでは言えませんが、BtoB中心の外資金融としては異例に名前が通っており、社名から高待遇・エリート企業という印象も持たれやすい会社です。一般層にも一定のブランドが通用する企業として★★★★☆と評価します。

高学歴就活評価外銀の代名詞。上位就活層でも「ゴールドマン内定」は明確に強い

ゴールドマン・サックスの上位就活層評価は★★★★★としました。

一般層では「有名な外資系金融」という認識にとどまることもありますが、難関大学の就活生になると位置づけは大きく変わります。

ゴールドマン・サックスは、外資系投資銀行を代表する企業の一つです。

特に投資銀行部門や証券部門などは採用人数が少なく、金融、戦略コンサル、商社などを志望する上位学生にとって最難関クラスの応募先になります。

実際、外資就活ドットコムの内定者申告データを見ると、内定者は東京大学、慶應義塾大学、早稲田大学、京都大学、一橋大学などが中心です。

さらに特徴的なのが、内定者が並行して受けている企業です。

同データでは、ゴールドマン・サックス内定者のインターン経験先として、J.P.モルガン、モルガン・スタンレー、シティグループ、バンク・オブ・アメリカ、UBS、ボストン コンサルティング グループなどが上位に並びます。

自己申告データなので内定者全体を表すものではありませんが、少なくとも外銀や戦略コンサルを並行して受ける就活層と強く重なっていることが分かります。

2026年夏のインターンシップも、投資銀行、証券、投資調査、アセット・マネジメントなど部門別に実施され、それぞれ20〜40名程度の募集です。本選考ではさらにそこから少人数が採用されます。

もちろん、部門によって評価は同じではありません。

投資銀行部門や証券部門などのフロント職と、オペレーションズやコントローラーズなどを完全に同列に扱うことはできません。

それでも、ゴールドマン・サックスという社名自体が上位就活層では強いブランドを持っており、特にフロント職の内定は「有名企業に受かった」という水準を超えて、選考を突破したこと自体に希少性があります。

一般層への知名度では国内の国民的企業に及びませんが、上位就活層に限れば話は別です。外銀の代表格として認識され、難関大学の学生同士でも内定そのものに希少性がある企業として★★★★★と評価します。

待遇フロント職なら20代で年収2,000万円も射程。ただし、部門と成果で報酬差は大きい

ゴールドマン・サックスの待遇は★★★★★としました。

国内企業とは給与体系がかなり異なります。

ゴールドマン・サックスの公式情報では具体的な給与額を公表しておらず、給与は会社規定によるとしたうえで、昇給は年1回、賞与も年1回としています。

グローバルの報酬制度では、報酬は基本給だけでなく変動報酬などから構成され、会社全体、所属部門、個人それぞれのパフォーマンスなどを考慮して決定すると説明しています。

つまり、日本企業のように「30歳ならおおむねこの年収」という年功的な給与カーブではありません。

特に報酬が高いのが、投資銀行や証券などのフロント職です。

外資就活ドットコムがOpenWorkやLiigaなどをもとにまとめた推計では、フロント職の報酬はおおむね次のようになっています。

| タイトル | 年次の目安 | 年収の目安 | |---|---:|---:| | Analyst | 1〜3年目 | 800〜1,400万円 | | Associate | 4〜6年目 | 1,400〜3,000万円 | | Vice President | 7年目〜 | 2,000万円〜 | | Managing Director | 実力次第 | 5,000万円〜 |

近年の社員投稿でも高い水準が確認できます。OpenMoneyの2026年の投稿データでは、ゴールドマン・サックス証券の20代後半の平均年収は1,494万円、インベストメントバンキング職に限ると1,697万円とされています。

いずれも会社公表値ではなく、口コミや外部調査に基づく参考値ですが、20代の段階から年収1,000万円を大きく超え、フロント職では2,000万円以上も十分に視野に入る給与水準です。

一方で、ゴールドマン・サックスの全社員がこの給与カーブをたどるわけではありません。

同じ外資就活ドットコムの推計では、バックオフィス系はAnalystで650〜800万円、Associateで800〜1,500万円、VPで1,500万円以上とされており、フロント職とはかなり差があります。

それでも若手会社員としては高い水準ですが、「ゴールドマン・サックスの年収」を一つの数字で語ると実態を見誤ります。

また、年次が上がれば自動的に高年収になる会社でもありません。

賞与を含む報酬は会社・部門・個人の成果に左右され、タイトルが上がるほど個人差も大きくなります。

これは三井不動産や三菱商事の★★★★★とは性格が違います。

両社は普通にキャリアを積んだ社員が高年収へ到達しやすいことが強みですが、ゴールドマン・サックスは若いうちからそれを上回る報酬を狙える代わりに、部門・評価・昇進によって報酬差が大きくなります。

特にフロント職では20代で年収1,000万円台後半、さらに2,000万円以上も狙える圧倒的な給与水準です。部門差と成果による振れ幅は大きいものの、若手から得られる報酬の高さと上限の大きさは国内企業とは別格であり、★★★★★と評価します。

WLB制度は手厚い。ただしフロント職でWLBを取りやすいとは考えにくい

ゴールドマン・サックスのWLB・働きやすさは★★☆☆☆としました。

会社として用意されている休暇・福利厚生制度はかなり充実しています。

日本法人の勤務条件では、勤務時間は9時〜17時30分、完全週休2日制。年次有給休暇は初年度が入社月・役職に応じて1〜30日、以降は勤続年数に応じて15〜30日とされています。結婚、療養、育児、介護などに関する休暇・休業制度も用意されています。

ただし、特に投資銀行部門などのフロント職では、こうした「制度上の勤務時間」と実際の仕事の負荷は分けて考える必要があります。

象徴的なのが、2021年に米国の若手投資銀行員13人が作成した社内調査です。回答者は週平均約95時間働いていると報告し、週80時間を上限とすることなどを会社に求めました。

13人という小規模な調査であり、米国の投資銀行部門の事例です。ゴールドマン・サックス全社員の平均労働時間でも、日本法人の勤務実態を示すデータでもありません。

一方で、極端な長時間労働はゴールドマン・サックスだけの特殊事情とも言い切れません。

近年も米ウォール街では若手投資銀行員の長時間労働が問題となっており、J.P. Morganは若手バンカーについて原則週80時間の上限を導入しています。Financial Timesは、こうした長時間労働が続く背景として、顧客の要求に合わせる必要があること、案件ごとに仕事が異なること、高い精度と素早い対応が求められることなどを挙げています。

つまり、問題は単に「会社が社員を長時間働かせている」というだけではありません。

投資銀行ではM&Aや資金調達を顧客企業のスケジュールに合わせて進めます。案件が動けば、企業価値評価や財務モデル、提案資料、取引条件などを短期間で何度も修正する必要があります。重要な案件ほど締切を自分で決めにくく、顧客や社内の上位職から修正が入れば、その日の仕事量も大きく変わります。

この仕事の構造自体は、日本法人でも大きく変わりません。

ただし、日本のゴールドマン・サックス社員が実際に週何時間働いているのか、部門ごとの平均残業時間がどの程度なのかを示す信頼できる公開データは確認できません。そのため、「日本法人でも週80〜90時間働くのが普通」とまでは断定できません。

それでも、海外で長時間労働を生み出している主要因が、M&Aや資金調達という仕事そのものの性質にある以上、日本の投資銀行部門だけがそこから完全に切り離され、安定してWLBを取りやすいとは考えにくいでしょう。

もちろん、これはゴールドマン・サックスの全社員に当てはまる話ではありません。

Engineering、Operations、ControllersなどまでInvestment Bankingと同じ働き方をしているわけではなく、勤務負荷は部門によって大きく異なります。

また、日本では通常の労働時間規制に加え、金融専門職の一部について専門業務型裁量労働制や高度プロフェッショナル制度の対象となり得る仕組みがあります。ただし、ゴールドマン・サックス日本法人で実際にどの職種・人数へ適用されているかは公開情報から確認できないため、ここでは評価根拠とはしていません。

休暇や福利厚生の制度自体は手厚い一方、投資銀行などのフロント職は、顧客や案件の進行によって自分の勤務時間をコントロールしにくい仕事です。日本法人の実労働時間を示す十分な公開データはないものの、海外で長時間労働が繰り返し問題になる背景と仕事内容を踏まえると、少なくともWLBを取りやすい職種とは評価しにくいでしょう。部門差を考慮し、会社全体では★★☆☆☆と評価します。

キャリア資産会社名だけではない。部門別採用だから専門性まで職歴に残りやすい

ゴールドマン・サックスのキャリア資産は★★★★★としました。

強いのは単に「Goldman Sachs出身」という看板が付くことだけではありません。

ゴールドマン・サックスは新卒から部門別に採用しており、2028年卒の新卒採用でも、投資銀行部門、コントローラーズ部門、オペレーションズ、エンジニアリングなど、応募する段階で部門を選びます。

総合職として入社して数年ごとに全く違う部署を回る会社と比べると、「自分は何をしてきた人なのか」を作りやすい会社です。

特にキャリア資産が強いのが、投資銀行、マーケッツ、アセット・マネジメントなどの金融専門職です。

投資銀行部門では、M&Aアドバイザリー、企業価値評価、買収・売却時の交渉やストラクチャリング、株式・債券による資金調達などを担当します。

数年間働けば、「ゴールドマン・サックスにいた」という経歴だけでなく、M&A、バリュエーション、財務モデリング、資本市場など、転職市場でもそのまま説明できる経験が残ります。

証券・マーケッツ系でも、株式、債券、為替、コモディティ、デリバティブなど特定の商品や市場について経験を積むことになります。

アセット・マネジメントでは、企業や不動産への投資、プライベート・エクイティ、クレジットなど、投資家側の専門性を作れます。日本のアセット・マネジメント部門でも、LBO・MBOなどを含む企業投資や、投資後の企業支援を行っています。

その後の選択肢も比較的分かりやすいです。

投資銀行であれば他の投資銀行、PEファンド、事業会社のM&A・経営企画など、アセット・マネジメントであれば他の運用会社やファンドなど、前職で身につけた経験を求める仕事が存在します。

ゴールドマン・サックスのブランドが強いだけでなく、そこで経験した仕事自体にも買い手がいるのが大きな特徴です。

エンジニアリングも同様です。

日本法人のエンジニアリング部門は、社内システムの開発を担当するだけではなく、各ビジネス部門と連携しながらソフトウェアやインフラを自社開発し、ニューヨークやロンドンなど海外拠点とも共同で開発しています。

金融というドメインに寄る部分はあるものの、ソフトウェア開発、分散システム、データ、インフラなどの技術経験は社外にも持ち出せます。

一方で、すべての部門が投資銀行やアセット・マネジメントと同じキャリアになるわけではありません。

オペレーションズやコントローラーズなどでは、金融商品の決済・管理、会計、規制対応、リスク管理などの専門性が中心になります。十分に専門職として説明できる経験ではありますが、投資銀行からPEへ移るような分かりやすい高報酬キャリアとは異なります。

したがって、「ゴールドマン・サックスに入れば、どの部署でも同じような転職先が開ける」と考えるのは危険です。

ただ、これはキャリア資産が弱いというより、部門ごとに別の専門職としてキャリアが作られる会社と考えた方が近いでしょう。

さらにキャリア採用の案内では、国内外の他ポジションへ応募できる社内公募制度も案内されています。必ず希望部署へ異動できるわけではありませんが、社外へ出る以外にもグループ内でキャリアを変える選択肢があります。

ゴールドマン・サックスは、会社ブランドだけでキャリア資産が高いわけではありません。部門別採用によって若いうちから特定の金融・技術領域を経験し、その経験自体を次の会社でも評価してもらいやすいことが強みです。部門によって転職先や市場価値の方向は大きく異なりますが、数年働いた後に「何をしてきた人なのか」が残りやすい会社であることから、★★★★★と評価します。

将来性会社は強い。ただし「入れば安泰」の会社ではない

ゴールドマン・サックスの将来性・安定性は★★★★☆としました。

会社そのものの事業基盤は非常に強いです。

Goldman Sachsの2025年Annual Reportによると、2025年の純収益は583億ドルで、前年比9%増。ROEは15.0%まで上昇しました。

事業の中心は大きく、Global Banking & MarketsとAsset & Wealth Managementに分かれています。

前者ではM&A、株式・債券による資金調達、株式や債券・為替などのマーケット業務を手がけます。特にM&Aアドバイザリーでは、同社によれば2025年まで23年連続で世界首位を維持しています。

一方、Asset & Wealth Managementでは、富裕層向け資産管理、運用、オルタナティブ投資などを手がけています。2025年末の運用・管理資産は3.6兆ドルに達しており、投資銀行だけに依存する会社ではありません。

近年はこの収益構造をさらに安定させようとしています。

Goldman Sachsは、運用報酬やプライベートバンキングなど、金融市場の売買状況だけに左右されにくい収益を増やしており、2021年から2025年にかけて、こうしたAsset & Wealth Managementの継続性の高い収益は年平均12%で成長しています。

つまり、

「大型M&Aが少なければすぐ苦しくなる投資銀行」

ではなく、マーケット、M&A、資金調達、資産運用、富裕層ビジネスなど複数の収益源を持つ巨大金融機関です。

そのため、会社そのものの存続性や競争力という意味ではかなり強いと評価できます。

ただし、「Goldman Sachsという会社が安定していること」と、「そこで働く個人の雇用が安定していること」は分けて考える必要があります。

投資銀行やマーケット業務は景気や金融市場の影響を受けます。

M&AやIPO、資金調達が減れば投資銀行収益は落ちやすく、債券・株式などのマーケット部門も取引量や相場環境によって収益が変動します。

実際、Goldman Sachsでは毎年、Strategic Resource Assessmentと呼ばれる人員評価を行っており、Reutersによると通常1〜3%程度の社員が対象となる人員削減が行われています。

2026年にも通常の年次評価とは別に、一部の低評価社員を対象とした追加削減が報じられました。

日本の大企業でイメージされる、

「大きな問題を起こさなければ定年まで働ける」

という意味での安定性とはかなり異なります。

今後さらに影響が大きくなりそうなのがAIです。

投資銀行では、企業情報の収集、資料作成、財務分析、初期的なモデル作成など、これまで若手アナリストが多くの時間を使ってきた業務の一部をAIで効率化できる可能性があります。

Goldman Sachs自身もAIを業務へ導入しており、2026年にはAnthropicとの提携を通じて、顧客オンボーディングなどの業務自動化を進めていると報じられています。

これはGoldman Sachsそのものにとっては必ずしも悪材料ではありません。

むしろ、人件費を抑えながら少ない人数でより多くの案件を処理できれば、会社の競争力や収益性を高める可能性があります。

一方で社員側から見ると、これまで若手が担当していた定型作業の価値が下がり、「高い報酬を払って多数の若手を抱える必要があるのか」という圧力につながる可能性があります。

ただし、M&Aの交渉、顧客企業との関係構築、投資判断、複雑な金融商品の設計などまでAIだけで代替できる段階にはありません。

むしろ今後は、単純な資料作成や情報整理ではなく、顧客対応、判断、専門知識といった部分に人間の価値がより集中していく可能性があります。

また、金融業界は規制の影響も強く受けます。

自己資本規制、金融商品の規制、各国の金融政策などによって、収益性や必要資本が大きく変わる可能性があります。世界各国で事業を展開するため、地政学や市場環境の変化にもさらされます。

それでも、Goldman SachsはM&A、マーケット、資産運用、富裕層ビジネスなど複数の分野で世界有数のポジションを持っています。

金融という巨大市場そのものがなくなる可能性は低く、AIも現時点ではGoldman Sachsを脅かすだけではなく、同社自身が生産性向上に利用できる技術です。

会社としての競争力と収益基盤は非常に強く、金融市場が存在する限りGoldman Sachsの役割が急になくなるとは考えにくい会社です。一方で、金融市場の景気循環、人員の定期的な入れ替え、AIによる業務効率化などを考えると、「入社すれば長期間安泰」というタイプの安定性ではありません。会社の将来性は高いものの、社員個人には継続的な成果が求められることから★★★★☆と評価します。

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最終更新: 2026-09-22

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