NTTデータ

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基本データ

外資/日系
日系
従業員数
5,000人以上
上場区分
上位上場級大型上場企業相当
会社形態
ホールディングス系の親会社・主要親会社
産業
中位収益性産業
ブランド
補正なし

企業評価の見取り図

8項目平均4.1

各項目は5段階評価です。星が多いほど、その項目の評価・強さ・難しさが高いことを表します。

新卒難易度新卒で入る難しさ。採用人数、応募者層、学歴フィルター、人気を見る項目です。
4.0
中途難易度経験者採用で入る難しさ。要求専門性、採用枠、競争相手を見る項目です。
3.0
一般知名度親・友人・非ビジネス層にも会社名が通じるかを見る項目です。
5.0
高学歴・ビジネス界隈評価上位大生、転職市場、ビジネス層からどう見られるかを見る項目です。
4.0
待遇年収・昇給・福利厚生の強さを見る項目です。
4.0
WLB労働時間、転勤、勤務地、柔軟性を見る項目です。
4.0
キャリア資産転職時の看板、スキル、経験の汎用性を見る項目です。
4.0
将来性会社・業界の成長性、競争優位、構造リスクを見る項目です。
5.0

企業解説

新卒難易度採用枠は大きいが、応募者層も強い難関企業

NTTデータは年間700人規模を採用する、新卒採用枠の大きな企業です。2024年度の新卒採用者数は697名。NTTデータフィナンシャルテクノロジーや各地域会社など、別法人となるグループ企業まで単純合算した数字ではありません。

もっとも、「700人も採るなら、それほど難しくない」と考えるのは早計です。

NTTデータの採用人数が多い背景には、同社の事業規模とSIer特有の人材構造があります。SE・PMの仕事はプログラミングだけではなく、顧客要求の整理、要件定義、設計・構築、プロジェクト管理など幅広く、大規模案件ではグループ会社やパートナー企業を含む多数の関係者を動かす役割も担います。

そのため、約700人という採用数は「選考基準を下げて大量に採用している」というより、巨大な事業を支えるSE・PM・営業などを継続的に確保する必要があるためと考える方が自然でしょう。

一方、入社者の大学を見ると、採用人数の割に応募者・入社者の学歴帯は高めです。

大学通信が公表する2025年の「NTTデータグループ」就職者数では、早稲田大学111名、慶應義塾大学72名、東京理科大学57名、大阪大学30名、明治大学30名、上智大学27名、中央大学25名、東京大学23名、東京科学大学23名、青山学院大学23名、立教大学23名など、旧帝大・早慶・理科大・MARCHクラスが上位を占めています。

ただし、この大学別データは「NTTデータグループ」として集計されており、約700人のNTTデータ本体採用と完全に同じ母集団とは限らない点には注意が必要です。

また、「上位大学でなければほぼ受からない会社」と断定できるわけでもありません。

たとえば個人の体験談では、神奈川大学からNTTデータに内定した事例も公開されています。当然ながら一個人の内定例から採用全体を一般化することはできませんが、少なくとも大学名だけで選考対象が上位大学に限定されているわけではないことを示す参考例にはなります。

ここで注目したいのが、NTTデータの選考方法です。

自由応募では、ESだけでなく「適性検査A」「適性検査B」の2種類を受検し、職種選択などの手続きを完了したうえで書類選考・面接へ進みます。

NTTデータが掲げる求める人財像も、「考導力」「変革力」「共創力」の3つ。自ら考えて行動する力、変化を起こす力、多様な人と共通目標を作り成し遂げる力を重視しています。

したがって公開情報から見る限り、NTTデータは「大学名だけでほぼ勝負が決まる会社」というより、一定以上の基礎能力や論理性を選考過程でも確認する会社と考える余地があります。

もちろん、NTTデータが「学歴より適性検査の点数を重視する」と公表しているわけではないため、ここは推測の域を出ません。ただ、採用大学が上位校に寄っている一方で非上位大学からの内定事例も存在し、さらに2種類の適性検査を課していることを考えると、学歴に自信がない学生でも、適性検査・ES・面接で高い基礎能力や適性を示せれば突破余地はあると見るのが妥当でしょう。

また、NTTデータは理系限定の会社でもありません。新卒入社者はおおむね文系4割・理系6割とされており、文系出身からSEとして働く社員もいます。

以上を踏まえると、NTTデータの新卒採用は、「700人という大きな採用枠がある一方、その枠を狙う学生の数・レベルも高い」タイプの難関選考と考えられます。

総合商社や大手デベロッパー、人気食品メーカーのような「採用人数そのものが極端に少ない超狭き門」とは性質が異なります。一方で、採用大学は上位校中心で、適性検査も2種類あり、人気も高いことから、大量採用企業だからといって容易に内定できる企業でもありません。

本サイトでは、採用枠の大きさを考慮しつつも、応募者層・人気・選考負荷を踏まえて、新卒難易度を★★★★☆と評価します。

学歴に自信がない学生にとっては「無謀な応募先」ではないものの、安全圏とも言いにくい企業です。大学名だけで諦める必要はない一方、適性検査やES、面接で上位大学の応募者と競争できるだけの準備は必要でしょう。

中途難易度大手としては中途採用の間口が広い

NTTデータは、新卒中心で人材を育成するイメージの強い企業ですが、現在は経験者採用にもかなり積極的です。

2024年度の経験者採用数は587名で、新卒採用697名に迫る規模。経験者採用率は45.7%に達しており、「基本的に新卒プロパーで、中途は一部の専門人材のみ」という会社ではありません。

募集対象もAI、データサイエンス、クラウド、セキュリティなどの高度専門人材だけではなく、SE・PM、コンサルタント、企画・営業など幅広い職種に及びます。

さらに公式採用サイトでは、IT業界未経験者の経験者採用事例も紹介されています。たとえば金融分野では、異業界からIT未経験で入社した社員の座談会を公開しており、前職で培った金融・営業などの業務知識を評価して採用するケースも確認できます。

一方で、中途採用は新卒のようなポテンシャル一括採用ではありません。公式にも、書類選考では各募集職種が求める経験・スキルとのマッチングを確認するとされており、選考は原則として書類選考、適性検査、複数回の面接で行われます。

したがって、誰にとっても入りやすい企業というわけではありませんが、年間500名を超える経験者を採用し、一般的なSE・PMから業務知識を持つ異業種人材、高度専門職まで複数の入口があることを考えると、大手人気企業としては中途入社の門戸は比較的広いと考えられます。

本サイトでは、「一定の経験・スキルは必要だが、キャリアを積んでから十分に再挑戦できる企業」として、中途難易度を ★★★☆☆ と評価します。

一般知名度「NTT」の看板は一般層にも強い

NTTデータは、IT業界に詳しくない人に対しても「大手企業に勤めている」と伝わりやすい会社です。

最大の理由は、やはり「NTT」のブランド力です。NTTデータはNTTグループの主要企業の一つであり、現在はグローバルで売上高4兆円を超え、従業員約20万人を抱える世界最大級のITサービス企業となっています。

一般層における企業ブランドでは、「その会社が具体的に何をしているか知られているか」と「社名を聞いたときに大手・有力企業だと認識されるか」は別物です。

NTTデータの場合、システムインテグレーションや公共・金融システムの仕事内容まで理解している人は限られる一方、「NTT」という社名から大手企業であることが伝わりやすいのが強みです。

トヨタやソニーのように製品を通じて一般消費者が日常的に接する企業とはブランドの種類が異なりますが、勤務先として名前を出した際の信用力や安心感は非常に高いと考えられます。

本サイトでは、一般層から見た企業名の通りやすさ、大手企業としての認識されやすさ、勤務先としての信用力を評価し、一般知名度・世間受けを ★★★★★ とします。

高学歴・ビジネス界隈評価トップSIerとして高評価だが、「選ばれし少数」のプレミア感は薄い

NTTデータは、上位大学の就活生から見ても十分に評価の高い就職先です。

IT・SIer業界では国内を代表する企業の一つであり、「NTT」の名前を冠する単なるグループ子会社ではなく、NTTグループのグローバルIT事業を担う主要企業という位置づけです。実際、就活市場でも人気は高く、「楽天みん就」の2026年卒IT業界新卒就職人気企業ランキングでは16年連続1位となっています。

採用大学も早慶・旧帝大・東京理科大・MARCHなどが厚く、上位大学の学生にとっても有力な就職先の一つといえます。

一方、就活市場全体で見たときの「プレミア感」は最上位企業ほど強くありません。

その一因として考えられるのが、年間700人規模という大きな採用枠です。総合商社や大手デベロッパー、戦略コンサルなど、限られた採用枠を上位学生が争う企業と比べると、「内定者が極端に少ないこと」自体から生まれる希少性は低くなります。

また、NTTデータにはNTTグループらしい安定感や堅実さのイメージがあり、高年収・急成長・少数精鋭を前面に出す企業とはブランドの方向性が異なります。これは就職先としての安心感につながる一方、外資金融や戦略コンサル、総合商社などに見られる「競争を勝ち抜いたエリート」というギラギラした印象は相対的に弱めです。

したがって、「上位大学から入社しても十分に評価されるトップクラスのSIerだが、就活最上位企業特有の希少性や選抜感まではない」というのがNTTデータの立ち位置に近いでしょう。

本サイトでは、業界内での地位、NTTブランド、上位大学からの人気を高く評価しつつ、採用人数の多さによる希少性の低さも踏まえ、上位就活層からの評価を ★★★★☆ とします。

待遇平均年収900万円台。若手は住宅支援まで含めるとかなり強い

NTTデータの待遇は、国内大手企業の中でもかなり高い水準にあります。

最新の有価証券報告書では、NTTデータの平均年間給与は958.4万円、平均年齢は37.8歳。一方、社員投稿型のOpenMoneyでは、投稿者全体の平均年収796万円・中央値791万円・平均年齢30.8歳となっています。

両者は年齢構成や集計方法が異なるため単純比較はできませんが、30歳前後を含む社員層でも700~800万円台が見えてくる会社であり、国内企業としては高待遇といえます。

新卒の初任給も近年大きく引き上げられています。

2026年4月入社予定では、通常の採用グレードで学士卒30万円、修士了31万2,000円。専門性などを評価され上位グレードで採用された場合は、月額32万2,540円からスタートします。これとは別に年2回の賞与や時間外手当などが支給されます。

さらにNTTデータの待遇を考えるうえで無視できないのが、住宅関連を中心とした福利厚生の厚さです。

2027年度予定の制度では、首都圏勤務・35歳以下の独身者など一定の条件を満たす場合、住宅補助は月4万2,500円。さらに入社3年目終了までは月2万円の自立支援金が加算されるため、対象者であれば入社直後の住宅関連支援は月6万2,500円、年間75万円相当になります。

加えて、入社に伴って新たに賃貸契約を結ぶ場合には20万円の一時金も用意されています。

もちろん住宅補助は給与そのものではないため、年収にそのまま加算するべきではありません。しかし、新卒1年目から月給30万円に賞与・残業代が加わり、さらに条件次第で年間数十万円規模の住宅支援を受けられることを考えると、若手社員の実質的な生活水準は額面年収以上に高いと考えられます。

福利厚生も住宅支援だけではなく、財形貯蓄、社員持株会、持家取得支援、企業年金、確定拠出年金、退職手当など、大企業らしい制度が揃っています。

給与水準自体も近年は引き上げられています。2025年春季労使交渉では、NTTデータ単体で月例賃金を1万2,000円引き上げ、12年連続の賃上げとなりました。

また、人事制度も従来型の年功序列一辺倒ではありません。一般社員については成果・業績・行動を重視する制度へ移行しており、管理職には職務に応じて処遇する「Flexible Grade」、高度な技術専門人材には「Technical Grade」などの制度も設けられています。

ただし、若手のうちから突出した報酬を得られる会社ではありません。

外資系金融、戦略コンサル、外資テックなどでは20代から年収1,000万円を大きく超えるケースもありますが、NTTデータはそうした「少数精鋭・高報酬型」の会社とは性格が異なります。

NTTデータの強みは、突出したアップサイドというより、30代に向けて比較的高い給与水準まで安定して上昇しながら、住宅支援・年金・退職金なども含めた総合的な待遇が厚いことにあります。

言い換えれば、「一発で稼ぐ会社」ではなく、「大きく外しにくい高待遇企業」です。

本サイトでは、平均年収900万円台という給与水準、30万円まで上昇した初任給、若手への住宅支援、大企業型の福利厚生、継続的な賃上げを高く評価。一方、外資系企業などに見られる若手からの突出した高報酬や報酬上限の高さでは最上位層に及ばないことから、待遇を ★★★★☆ と評価します。

WLB制度は最高水準。ただし大規模SIの「案件都合」は避けられない

NTTデータの働きやすさは、国内大手企業の中でもかなり高い水準にあります。

まず、SIerだからといって社員の多くが顧客先へ常駐することを前提とした会社ではありません。

NTTデータ本体は大規模案件でプライムベンダーを担うことが多く、顧客と直接向き合いながら、要件定義・設計・プロジェクト管理から開発・運用までを統括する立場にあります。

案件によって顧客先で作業することはあり、特に金融・公共などセキュリティ要件の厳しい案件では勤務場所が制約される場合もありますが、「SIerだから基本的に客先常駐」という働き方ではありません。

実際、NTTデータ、NTTデータグループ、NTT DATA, Inc.国内を対象とした2024年度のリモートワーク率は60.5%。テレワークには利用回数の上限がなく、会社としてリアルとリモートを組み合わせた働き方を推進しています。

勤務時間についても、コアタイムを撤廃したスーパーフレックス制度を導入。フレックスや裁量労働制など柔軟な勤務制度を利用する社員は全体の約7割に達しています。

勤務地の読みやすさもメリットです。

新卒採用では勤務地を「主に首都圏(東京・神奈川・千葉など)」としており、北海道・東北・東海・関西・九州などでは地域グループ会社が別途採用を行っています。

全国各地への転勤を前提とする大手メーカーや金融機関などと比べれば、首都圏でキャリアを築きたい人にとって勤務地リスクは比較的小さい会社といえます。

ただし、業務によって関西などの国内拠点や海外拠点で勤務する可能性もあるため、東京・首都圏勤務が完全に保証されているわけではありません。

休暇についても、年次有給休暇に加えて夏季休暇、年末年始休暇、ライフプラン休暇などが用意されています。

社員口コミを集計するOpenWorkでは、有給休暇消化率83.8%、平均残業時間31.6時間となっています。

ここまでの制度だけを見れば、★★★★★を付けてもおかしくない水準です。

一方で、NTTデータには大規模SIerであること自体から生じる働きにくさもあります。

官公庁・金融機関・大企業などの重要システムを担当する以上、納期前、本番移行、システム障害などが発生すれば、一時的に勤務時間や勤務場所の自由度が下がる可能性があります。働きやすさが配属プロジェクトによって変わりやすい点も無視できません。

また、プライムベンダーであることにも表裏があります。

二次請け・三次請けSIerと比べれば、商流の上位で顧客と直接交渉できるため、「顧客と元請けの双方から振り回される」構造にはなりにくい一方、大規模プロジェクト全体を取りまとめる側としての責任は重くなります。

つまりNTTデータは、制度・休暇・勤務地・働く場所の自由度は非常に優秀だが、仕事内容まで含めると「完全無欠のホワイト企業」とまでは言えない会社です。

本サイトでは、テレワーク、スーパーフレックス、高い有休消化率、首都圏中心の勤務地などを高く評価。一方、平均残業時間は一定程度あり、大規模SI特有の納期・移行・障害対応やプロジェクト依存の繁忙リスクも残ることから、WLB・働きやすさを ★★★★☆ と評価します。

制度だけなら★★★★★級。しかし、実際の仕事まで含めれば★★★★☆。 このくらいがNTTデータの働きやすさを最も表しているでしょう。

キャリア資産大規模PM・上流経験は強力。ただし「NTTデータにいれば市場価値が上がる」とは限らない

NTTデータで得られるキャリア資産は、どの仕事を経験するかによってかなり差があります。

特に強いのが、PM・PL、要件定義、顧客折衝、ベンダーコントロールなど、大規模システムを「動かす側」の経験です。

NTTデータ自身もSE・PMの仕事として、顧客要求の整理・要件定義、システムの設計・構築、プロジェクト全体の進捗管理などを挙げています。大規模案件では協力会社を含めた全体マネジメントを経験できることも特徴です。

金融、公共、通信、大企業向けなどの巨大プロジェクトで、複数の関係者を巻き込みながらシステムを完成させた経験は、他のSIerだけでなく、ITコンサル、PMO、事業会社のシステム企画・DX推進などにもつながりやすいキャリアです。

その意味では、「特定技術を極めたい」という強いこだわりがなく、大規模ITの上流・マネジメントを軸にキャリアを作りたい人にとって、NTTデータはかなり強い環境といえます。

一方、注意したいのが技術キャリアです。

NTTデータにはAI、データ、クラウド、アーキテクチャなど高度な技術を扱う組織もあり、技術者としてキャリアを伸ばせない会社ではありません。

実際、高度な専門性を持つ社員を評価する「Technical Grade(TG)」制度が設けられており、2025年7月時点で333人が認定されています。管理職にならず、スペシャリストとして処遇を高めていくキャリアパスも存在します。

問題は、巨大企業であるがゆえに、全員がそのような技術キャリアを歩めるわけではないことです。

NTTデータの事業領域は非常に広く、同じSE採用でも、クラウドやAIなど新しい技術を扱う部署もあれば、特定顧客の大規模システムを長期間担当する部署もあります。

したがって、若いうちからモダンな技術を使った設計・開発を経験する人と、既存システムの保守や顧客調整、進捗管理、ベンダー管理を中心に経験する人では、数年後に身につく専門性が大きく異なる可能性があります。

ここはNTTデータのキャリアを考えるうえで重要なポイントです。

会社の看板が強いことと、個人の市場価値が自動的に高くなることは同じではありません。

NTTデータのような巨大企業では、特定顧客・特定システムに長く携わるキャリアも社内では十分成立します。その結果、社内では重要な人材になっていても、転職市場では経験の汎用性を説明しにくくなる可能性があります。

特に「ソフトウェアエンジニアとして実装力を高めたい」「特定のクラウドやAI技術を深く極めたい」といった明確な目標を持つ人にとっては、配属・プロジェクトによる当たり外れを無視できません。

逆に、技術そのものへの強いこだわりがなく、PM・PL、上流工程、業務知識、顧客折衝などを武器にしていくのであれば、大規模案件を豊富に持つNTTデータの環境は大きなキャリア資産になります。

本サイトでは、NTTデータという社名、大規模案件の経験、PM・上流工程で得られる市場価値を高く評価し、キャリア資産を ★★★★☆ とします。

ただし、これは「NTTデータに入れば誰でも市場価値が高くなる」という評価ではありません。

PM・上流キャリアなら★★★★☆。特定技術を深く伸ばしたい人にとっては、配属次第で★★★☆☆にもなり得る。

NTTデータほど巨大な会社だからこそ、入社後は「どの会社にいるか」以上に、「どの案件で、何ができるようになったか」を意識する必要があるでしょう。

将来性巨大な顧客基盤と日本のIT構造を握る。AI時代にも「消える側」より「変化を取り込む側」

NTTデータの将来性・安定性は、国内企業の中でも最高水準と考えられます。

最大の強みは、公共・金融・大企業など、社会や企業活動の根幹を支える巨大システムを多数抱えていることです。

NTTデータの国内事業は公共・社会基盤、金融、法人の3分野を中心としており、2025年度の国内売上高は約2兆727億円。2026年度は約2兆1,700億円への増収を見込み、公共・社会基盤、金融、法人のすべてで増収を予想しています。

これらのシステムは、一度構築すれば終わるものではありません。

制度変更への対応、機能追加、インフラ更新、クラウド移行、セキュリティ対策、運用保守などが継続的に発生します。特に公共・金融などでは、長年蓄積された業務知識や既存システムへの理解そのものが参入障壁になります。

加えて、日本企業では海外企業と比較してIT人材をベンダー側に依存してきた歴史があり、ユーザー企業がすべてのシステム開発を短期間で内製化するのも容易ではありません。

IPAの「DX動向2025」でも、内製化を進めている日本企業の82.3%が「人材の確保や育成が難しい」ことを課題として挙げています。また、日本企業ではDX人材が不足していると回答する割合自体が8割を超えています。

もちろん、事業会社によるIT内製化そのものは今後も進むでしょう。

しかし、内製化が進むことと、大規模システムインテグレーターが不要になることは同義ではありません。数百人規模の開発体制、高度な専門人材、複数ベンダーの統括、既存システムの知識などをすべてユーザー企業が自前で抱えることには依然として高いハードルがあります。

その意味で、NTTデータは「日本企業がIT投資を続ける限り仕事が生まれやすいポジション」にいる会社といえます。

実際、会社自体も縮小局面にはありません。

NTTデータは2026年度の入社式で、1988年の創業以来毎年増収を続け、2024年度にはグループ売上高4.6兆円まで成長したと説明しています。

新入社員数も増加しており、2024年度697名、2025年度801名、2026年度874名と採用規模を拡大しています。

ただし、現在のSIビジネスがそのまま右肩上がりで続くとは限りません。

最大の変化要因は生成AIです。

AIによってプログラミング、テスト、設計書作成などの生産性が大幅に向上すれば、従来100人で行っていた開発を100人で行う必要はなくなる可能性があります。

人月を積み上げる従来型のSIビジネスにとって、これは無視できない構造変化です。

一方で、NTTデータにとってAIは脅威であると同時に、自社の生産性を高め、新しい案件を生み出す商材でもあります。

2026年度の国内事業計画でも、AI活用による生産性向上を利益成長の要因として織り込んでいます。

さらに生成AI関連ビジネスでは、すでにグローバルで2,000件を超える受注を獲得。2027年度までにグループ全社員約20万人を実践的な生成AI人材育成の対象とする方針も掲げています。

したがって、NTTデータの将来性を「従来型SIが永久に安泰だから」と評価するのは適切ではありません。

むしろ強いのは、技術環境が変化しても、その変化を顧客企業へ導入する側に回れることです。

クラウド移行でもDXでも生成AIでも、大企業が新しい技術を導入する際には、既存システムとの接続、セキュリティ、業務要件、データ移行、運用設計などが必要になります。

巨大顧客との関係、業務知識、大規模システムの開発・運用能力をすでに持つNTTデータにとって、技術変化そのものが新しい案件を生み出す可能性があります。

本サイトでは、公共・金融・大企業を中心とする強固な顧客基盤、日本企業におけるIT人材不足とベンダー依存の構造、創業以来続く増収、拡大する採用規模、AIへの積極投資を評価し、将来性・安定性を ★★★★★ とします。

「今の仕事がそのまま残るから安泰」なのではなく、「仕事の形が変わっても、その変化を取り込める位置にいるから強い」。

NTTデータの安定性は、この点にあると考えます。

最終更新: 2026-09-19